連絡と報告なしで、そもそも相談はできません。

 実際の順番から言っても、実は、ホウレンソウはレンホウソウです。連絡をして、報告をし、相談をします。報告は一方的なものではなく、相手の意見を聞き、軌道修正をし、賛同や承認を得る目的で行われます。

 つまり、連絡をし、報告をして、同時に相談するプロセスを、いかに効率良くポイントをおさえて実現するか、が重要です。

■ホウレンソウに仮説思考を入れる

 念押し型ホウレンソウの鍵は、仮説思考です。自分なりに仕事の進め方に関して仮説を立て、結論を導きます。そして、ホウレンソウの際には必ず仮説と結論を用意してのぞみます。

 冒頭のホウレンソウの例では、結論を述べ承認を求めています。必要があれば簡潔に述べられるよう、結論の根拠である仮説を整理しておきます。

 ホウレンソウの一言に仮説を含めるべきケースがあります。それは、承認を求める上司の意見と自分の導き出した結論が異なる可能性がある時です。

 その場合は、

「私は◯◯と考えています。理由は△△です。この方向で進めてもよろしいでしょうか?」

 と、結論の後に仮説を一言付け加えます。それにより、上司から「なぜ?」と問われる時間を省けます。

 そして、上司と自分の間でなぜ意見が異なるのかを重点的に議論できます。あなたのロジックに一定の説得力があれば、仮に上司の結論と違っていても、あなたを信じて任せてもらえます。

 念押し型ホウレンソウを効率良くできると、周囲のあなたに対する評価は高まります。それは単にホウレンソウが上手になったからではありません。あなたの課題解決力、仕事の進め方、等に対する結論の導き方を信頼してくれるからです。そして、近い将来、より大きな仕事を任せてもらえるようになるでしょう。

戸塚隆将(とつか・たかまさ)
1974年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。ゴールドマン・サックス勤務後、ハーバード経営大学院(HBS)でMBA取得。マッキンゼー&カンパニーを経て、2007年、ベリタス株式会社を設立、代表取締役に就任。同社にて、プロフェッショナル英語習得プログラム「ベリタスイングリッシュ」を運営。