しかし、本人が残留を希望していること、今季のリーグ・アンがすでに開幕したこと、そして7年ぶりのチャンピオンズリーグへ出場することを考えれば、放出の可能性は低そうだ。一方で日本代表の同僚である長友佑都が加入したこともあり、酒井は右サイドバックの座をブナ・サールと争っていくことになる。

昨季終盤はより攻撃に特徴のあるサールが優先的に起用されたが、現時点で守備面でのパフォーマンスやビルドアップ時の貢献は酒井の方が上だろう。そして、公私ともに最高の関係を築くフランス代表MFフロリアン・トヴァンが長期離脱から復帰したことも、追い風となりそうだ。フランスで唯一ビッグイヤーを獲得している強豪クラブで、引き続き躍動する姿を期待したい。

(文・三上凌平)