サイ・ヤング賞獲得への期待が膨らむカブスのダルビッシュ有(写真/gettyimages)
サイ・ヤング賞獲得への期待が膨らむカブスのダルビッシュ有(写真/gettyimages)

 カブスのダルビッシュ有が開幕から好調を維持している。

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 今季は新型コロナウイルスの影響で試合数が60試合となり、通常のシーズンとは言い難いが、日本人投手の悲願でもあるサイ・ヤング賞の獲得が見えてきた。

 これまでもNPBで“無敵状態”だった多くの日本人ピッチャーが海を渡ったが、過去最もサイ・ヤング賞に近づいていたのもダルビッシュ。2013年、メジャー2年目を迎えたダルビッシュ(当時レンジャーズ)は、このシーズンの初登板となった試合(アストロズ戦)で、9回2死まで完全試合の快投を見せると、その後も素晴らしい投球を披露し続けた。

 勝利数は最終的にア・リーグ15位の13勝(9敗)どまりだったが、リーグトップの奪三振(277)と同4位の防御率(2.83)をマーク。同年リーグ最多の21勝(3敗)、防御率(2.90)、ダルビッシュに次ぐ奪三振(240)を記録したマックス・シャーザー(当時タイガース)にサイ・ヤング賞は譲ったが、投票ではシャーザーに続く2位に食い込んだ。

 そして、同年の投票で3位に入ったのが岩隈久志(当時マリナーズ)だ。ダルビッシュと同じ2012年にメジャーに挑戦した岩隈は1年目こそ先発とリリーフでの併用となったが、2年目からは首脳陣の信頼を勝ち取り、先発ローテーションの一角に。自慢のコントロールがメジャーでも威力を発揮し、1イニングに何人のランナーを出したかの数値となるWHIP(1.01)がリーグ2位、防御率(2.66)はダルビッシュを上回るリーグ3位、勝利数はリーグ8位タイの14勝とそこまで伸びなかったが、その他の指標が高い評価を受けた。

 ちなみにこの年の投票で7位となったのが、救援投手として26試合連続無失点や34人連続アウトを記録するなど、伝説的な投球でレッドソックスのワールドシリーズ制覇の立役者となった上原浩治。そして、9位に現在ソフトバンクでプレーするマット・ムーア(当時レイズ)が入っている。クリス・セール(当時ホワイトソックス)、フェリックス・ヘルナンデス(当時マリナーズ)らメジャーの名だたる投手の中、トップ10のうち4人が日本と関係があるというのは不思議な感じすらある。

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その他にもサイ・ヤング賞に近づいた日本人投手たち