ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな野間口の魅力についてこう分析する。

「いても気にならないけど、いないとどこか物足りない。なぜか彼がいるだけで、シーンに不思議と説得力やリアリティがにじみ出てくる。ごく普通の会社員から、狂気を帯びたキャラクターまで変幻自在。まさにバイプレーヤーの鏡と言えるでしょう。遠藤憲一や光石研、松重豊らに続く、次世代バイプレーヤーの筆頭的存在です。『存在感が薄い』は脇役にとって最高の褒め言葉。個人的には、深田恭子主演のドラマ『隣の家族は青く見える』(2018年)で、家族に内緒で会社を辞めて就活する小宮山真一郎役が印象に残っています。きっとそんなふうに、視聴者や観客にとっても、記憶に残るそれぞれの“マイ野間口”がいるのではないでしょうか。50代になっても引っ張りだこ状態が続くことは間違いないと思いますが、そうなると、彼が主役を務めるドラマもぜひ一度は見てみたいですね」

 野間口の目下の目標は「50歳までに1クールで全局のドラマに出演」だと語っていたが、このままだとあっさりクリアしてしまいそうだ。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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