放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん

 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、5歳になる息子のある問題について。

【写真】大人の性教育男子校って何?

*  *  *

 最近、わが家では5歳の息子のある問題で話し合いが行われています。「チンチンの皮むき問題」。これ、男のお子さんを持った方なら話したことあるかもしれませんが。

 まず説明させていただきます。男の赤ちゃんは「真性包茎」です。これ、陰茎の先端まで完全に皮が覆っている状態。アニメ「クレヨンしんちゃん」などで出てくるチンチンは、この状態です。赤ちゃんが成長していくと、皮の中の先端が少しだけ剥けるようになってくるわけですね。3歳くらいになると「3分の1くらいが露出」するらしい。

 大きくなるにつれて、陰茎が大きくなっていくわけで、そして、思春期くらいの時期になると、男性は「剥ける」のです。聞きたくないかもしれませんが、僕は13歳の時に、ある日突然剥けました。触ってたらいきなりズルンっと剥けまして、中から真っピンクの亀頭が出てくるわけです。ただ、ずっと皮がかぶっている中で中の皮膚が出てくるわけですから、慣れるまで痛いわけです。僕は13歳でしたが、周りも、だいたい中学くらいの時だった気がします。中には小学生の時に剥けて、修学旅行の時にわざつかせる奴もいますが。

 とにかく僕らの年代にとっては「自然に向ける時が来る」ものという認識なんです。でも、今は違うんですね。ある時、妻が子供を小児科に連れて行った時に「お父さんに頼んで、剥く練習をさせてあげてください」と言われたのです。その日家に帰ってきて、妻に頼まれました。「剥く練習をしてあげて」と。僕は驚きました。少なくとも僕は親に向く練習なんかされなかったので。すっぽりと皮をかぶっている息子のチンチン。お風呂に入って、やろうとしたが、息子が「痛い」と言います。そりゃ、痛いでしょう。痛いはずです。だからできないのです。

 そこから僕は剥く練習はやめました。が、先日、妻が子供を小児科に連れて行った時に、その先生が、息子のチンチンをギュっと剥いて「旦那さんに言って、剥く練習しないと、カスがたまって病気になっちゃう人もいるよ」と言ったそうです。「病気」と言われると妻も焦ります。家に帰ってきて僕に本気で「剥いてあげて」と言うのですが、僕はできません。
近所の旦那さんに聞くと「かわいそう」と同じことを言います。男の人はきっと同じことを思うんじゃないかと。

著者プロフィールを見る
鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

鈴木おさむの記事一覧はこちら
次のページ
母親と練習?どうなんでしょう?