FWには、遅咲きのシンデレラストライカー、藤本憲明 (神戸)がいる。1989年8月19日生まれの31歳。近畿大卒業後に佐川印刷SCでプレーしながらコツコツと得点力に磨きをかけ、鹿児島時代には2年連続でJ3得点王に輝き、2018年に加入した大分で脚光を浴びた。ライバルの多い神戸ではまだ出番が限られているが、JFL、J3、J2、J1の全カテゴリーでゴールを奪った男に「代表ゴール」の勲章を得るチャンスを与えてみてもいい。

 そして最後の1人、江坂任(柏)は外せない。1992年5月31日生まれの28歳。流通経済大から草津(J2)に入団した1年目に13得点を奪うと、翌年からは大宮で2年間プレーし、2018年に柏に加入して背番号10を背負う。そのプレーは万能そのもの。左右両足でのパス、ドリブル、シュートだけでなく、ボールコントロール、運動量、キープ力、空中戦の強さと、すべての攻撃能力を高水準に備え、今季は怪物FWオルンガとのホットラインで多くのアシストを記録している。間違いなく日本代表レベルの能力を持っており、今後さらに多くのサッカーファンに知ってもらいたい存在だ。

 以上を「A代表未招集“アラサー”ベスト11」としたいが、彼ら以外にも確かな実力を持つ選手は多く存在する。代表戦の実施が不透明な今だからこそ、改めてJリーグを舞台に奮闘する男たちに注目すべき。彼らのプレーは、見る価値がある。

 以下、今回選出したメンバー

【GK】
高木駿(大分)
【DF】
登里享平(川崎F)
吉田豊(名古屋)
大崎玲央(神戸)
福森晃斗(札幌)
【MF】
小野瀬康介(G大阪)
稲垣祥(名古屋)
庄司悦大(京都)
小池純輝(東京V)
【FW】
藤本憲明 (神戸)
江坂任(柏)