また、ぜんそくになりやすい人はどんな人なのでしょうか。小島医師によると、子どものころにぜんそくに悩まされた人、ぜんそくの家族歴がある人は注意だそうです。

「ほかにも、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患を持っている人は発症のリスクがあると思います。症状に不安を感じたら、呼吸器内科を受診してみてください」(同)

■検査ではわからない意外な引き金とは

 私が受けた血液検査は、39品目に及ぶ、アレルギーを調べることができました。アレルギーの原因としてよく聞くのは、、ハウスダスト、エビ、カニ、小麦、牛乳、ブタクサ、スギなどです。しかし、ぜんそくの場合、これだけが原因にはなりません。私のように雨の日の前日や台風が近づくときなど気圧の変化が原因になっていることもあり、これは血液検査では調べられません。

 また、友人は原稿の締め切り前に症状が出るといい、ストレスが原因になっていることも多いそうです。

「これが、ぜんそくの難しいところです。寒暖差、気圧の変化、湿度、これらが影響してぜんそく症状が引き起こされることはよくあります。採血によるアレルギー検査で陽性となるものが目立たないぜんそく患者さんでは、これら“目に見えないもの”がぜんそくの発作を引き起こすことが多いのです。ストレスもその1つです」(同)

 とはいえ治療の第一歩は、採血によるアレルギー検査をして、陽性と出た物質の暴露を避けることです。

「だからこそ、ぜんそくと診断されているけれども今までアレルギー検査をしたことがない人や、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患をお持ちの人は、一度アレルギー検査やってみると自分の身体のことがもっとよくわかりますので、やる価値はあると思いますよ」(同)

 筆者は、内科、小児科、皮膚科、耳鼻科などは知っていても、呼吸器内科という診療科があることは友人の話を聞くまで、まったく知りませんでした……。“呼吸に特化した医療機関”があることも頭の片隅に入れておいて損はないでしょう。また、これだけアレルゲンがあふれている時代です。不安要素があれば、アレルギー検査を受けて自分の体を知ることはとても大切なことだと、今回の経験を通して感じました。
(取材・文・写真/スローマリッジ取材班 児玉響子)

<取材協力・監修>
こじま内科院長 小島淳(医学博士、東京慈恵医科大学呼吸器内科 非常勤講師、日本呼吸器学会専門医・指導医)