ある程度の年齢になったら、「自分のヒストリー」の中からも、若い世代に伝えておきたいことはたくさん出てくるものです。ただ「ヒストリー」というものも一方的に長々と語られても、相手は辟易(へきえき)してしまうでしょう。

 そこで私がおすすめしたいのは、「1分ヒストリー」を普段からたくさん持っておくことです。

 自分のヒストリーは、ひとつの映画と思ってください。そしてその映画は、全篇上映すれば3時間以上かかるとしましょう。でも3時間を一気に語ることはできないので、「名シーン」を自分の頭の中でたくさん切り出して、映画の「1分予告」として語れるように整理しておくのです。

「予告」は厳選されたシーンと心に残る言葉で構成されていますよね。これを普段から何パターンも想像するのは、結構楽しいものです。何と言っても、映画の主役は「自分」ですから。これは脳の活性化、こころの活性化にも効くような気がします。

【しなやかに生きる知恵】
自分の経験は「長文」で語らず、スパイスとしてまぶす

小林照子(こばやし・てるこ)
美容研究家。ヘア&メイクアップアーティスト。1935年、東京都生まれ。東京高等美容学院を卒業後、小林コーセー(現・コーセー)に美容部員として入社。数々の大ヒット商品を手掛け、85年、同社初の女性取締役に就任。その後独立・起業し、美容ビジネスの企業経営や後進を育てる学校運営をおこなっている。『人生は、「手」で変わる。』(朝日新聞出版)、『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)、『なりたいようになりなさい』(日本実業出版社)、『美しく生きるヒント』(青春出版社)他著書多数。YouTubeにて「小林照子TV」がスタート

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小林照子

小林照子

小林照子(こばやし・てるこ)/美容研究家。ヘア&メイクアップアーティスト。1935年、東京都生まれ。東京高等美容学院を卒業後、小林コーセー(現・コーセー)に美容部員として入社。数々の大ヒット商品を手掛け、85年、同社初の女性取締役に就任。その後独立・起業し、美容ビジネスの企業経営や後進を育てる学校運営をおこなっている。『人生は、「手」で変わる。』(朝日新聞出版)、『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)、『小林照子流 ハッピーシニアメイク』(河出書房新社)ほか著書多数

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