――辞任を決断したのは具体的にいつなのか。誰かに相談はしたのか。

安倍首相:月曜日にそういう判断をしました。そのなかで、秋から冬に向けてのコロナ対策の取りまとめをしなければならない。この取りまとめをしっかりとする、そしてその実行の目途をたてる。それが今日の日ということであります。この間、相談したのかについては、自分一人で判断をしたということであります。 

――新型コロナの感染者情報を集約するデータベースで、発症日や職業のデータを把握できていないという報道があった。こうしたデータは対策の基本だと思う。これに限らず、10万円の給付金のときにも、オンライン申請を受け付けながら、結局は公務員が手作業で作業する状況もあり、コロナ禍でいかに日本が“IT後進国”であるかが露呈した。首相はIT分野で「世界の後塵を拝してはならない」と宣言していたが、こうなってしまった。原因はどこにあるとお考えか。後任にはどのような点を期待するか。

安倍首相:ご指摘のように、いまの日本の状況、IT分野における状況、問題点、課題というのは明らかになったわけであり、反省点であります。さまざまな課題がありますが、「官」の側に立てば、役所ごとにシステムが違うという問題もございますし、自治体ごとに違うという課題もあります。今回、その課題が明らかになってきたので、高市大臣を中心に一気に進めていくということにしているところでございます。もう一つは個人情報に対する保護、対応が自治体ごとに違うという課題もあります。しかし今回、そういう課題を乗り越えていく必要性があることは共有できたのではないかと思いますので、私は辞めていくわけでありますが、また次のリーダーも取り組んでいかれると思いますが、私も在位の期間、しっかりと頑張っていきたいと思います。

>>『安倍首相辞任会見【全文(6)】「政権を私物化したつもりは全くない」』につづく