――総理が考える「総理・総裁」に必要な資質とは、どのようなものか。

安倍首相:これはいままでもよく申し上げてきたことでございますが、しっかりとしたビジョンを持って、責任感と情熱を持った方だろうと思いますが、いままで名前が出ている方はそうした資質をもっておられるのだろうなと。私が持っているかどうかはまた別の問題でありますが、総理大臣というのは一人でできる仕事ではなくて、私がここまでこれたのも、至らない私を支えていただいた多くのスタッフのみなさんや議員のみなさん、そういう方々がいて、なんとかここまでくることができました。ですから、そういうチーム力というのも大変重要ではないかと思います。 

――コロナ禍の政府対応で、成果を上げたと思う点、反省する点、それぞれどうお考えか。

安倍首相:まさに今回のコロナウイルス、感染症との戦いはですね、まずは武漢で発生し、武漢の邦人を救出するオペレーションからスタートしました。その後はダイヤモンドプリンセス号の問題もありました。それぞれはじめての経験でありました。今までの知見がないなかにおいて、そのときどきの知見を生かしながら、我々としては最善を尽くしてきたつもりでございます。マスクについても、さまざまなご批判をいただきましたが、このマスクの配布を始めることによって、需要と供給の関係が相当、供給もでてきたというのもあります。いろんなネット等での価格も大きく変わってきたというのもあったと思います。ただ国民のみなさまから厳しいご批判もありました。そうしたものは私も受け止めなければならないと、思っております。各国との比較において、亡くなられた方々がおられますが、死者の数、重症者の数等々においても、諸外国と比べてなんとか低く抑えることをできたと考えております。経済への影響もありますが、経済対策によって、他の先進国等々と比べれば、なんとか抑えることができていると思いますが、まだまだ不十分な点もあります。反省するべき点はもちろん、多々あるということは、申し上げなければならない。

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