「新型コロナ禍の状況次第でどうなるか分かりませんし、無観客開催となった時のことも考えていかなければならないのですが、平均で4000人から5000人の観客に来てもらえるように。そして5年後までには、興行として成り立つように、目指していかなければならないかなと思います」

 岡島チェアの在任期間は、2年の予定。2022年の夏、つまり、秋春制のWEリーグの初年度が終わり、その総括が行われるまでがひとつの区切りだ。任期中に、これだけは達成したいということは何かと問いかけると「黄色い歓声が起こるスタジアムにしたい」という答えが返ってきた。

「『(チェア在任期間の)2年間で達成する』という意味では『黄色い歓声が起こるようなスタジアムにしたい』と思っています。そして、収入的にある程度、興行としての目処をつけたいという気がします。

 もちろん、テレビやインターネットで試合を見ていただくことも大切なのですけれども、やっぱり、たくさんの人に『サッカー場に来たら、楽しかった』という経験をしてほしい。だから、地元の学校の部活やサークル、例えばチア部やダンス部、吹奏楽部が来たりして、サッカーだけでなく、そこに来たら楽しいことがあるというふうに。

 個人的には、パートナー企業の方に来ていただいて、その場で異業種交流会のような場を作ったりできればと思っています。『サッカー場へ来れば、何か楽しいことがある』という空気を、ひとりのファンとしても作っていきたい」

「(WEリーグを)小さく生んで、大きく育てたい」と岡島チェア。これまで興行として成り立たせるのは難しいと言われ続けてきた女子サッカーだが、ビジネスの世界で数字を残してきた新リーダーの手腕に期待したい。(文・西森彰)