JFAの会議室で1回、その後、何度かオンラインでの打ち合わせに参加する中で、初代チェアの大任に推される。正式に、リーグの社員総会を経て選出されたのは、今年の7月3日だ。

「(新型コロナウイルス拡散防止の影響で) JFA の中で会議を行っていたのですが、それがオンラインになり、アメリカに住んでいる私でもできるだろうということになったんだと思います」

 これまで、岡島チェア自身は、上記のように、就任の経緯をコロナ禍に関連付けてきた。しかし、実際は、「お金に強く、サッカーを(かなうなら女子サッカーを)よく知っている人物」をWEリーグが必要としていたのだ。

「JFA女子委員会の今井純子委員長、手塚貴子副委員長からお話を聞いていくと『元サッカー選手、しかも女子サッカーをやっていて、ビジネスという部分にも関わっている人』は、なかなかいないらしいんです。

『最初は(初代チェアに)経済界で活躍されている女性を考えていた』と。しかし、そういった方だとサッカーへの接点がなく、女子サッカーのことは、まず、ご存じない。次に『女子サッカーの経験者』という点から探していくと、ビジネス経験の無い方が多い。そこで、私になったようです」

 金融業界で働く中で培ったビジネスセンスと人脈。そして、アメリカで感じた「女子サッカー選手=少女たちの憧れ」。岡島チェアのキャリア全体が、WEリーグを成功に導くために必要なものだったようにも見える。(※後編へ続く、8月28日16時配信予定)

(文・西森彰)