福岡地区の決勝で延長タイブレークのすえ福岡高校に敗れて惜しくも優勝を逃したが、終盤に150キロを超えるスピードをマークするなど、スタミナ面では高橋にも引けを取らない。190cm近い長身から投げ下ろすボールの角度は抜群で、将来を考えてカーブ以外の変化球は封印しているところなどを考えても、スケールの大きさでは高校ナンバーワンともいえるだろう。8月29日と30日に甲子園で行われる西日本の選手対象の「プロ志望高校生合同練習会」へも参加することが発表されたが、その場でも最も注目を集めることになりそうだ。

 サウスポーで圧巻の投球を見せたのが根本悠楓(苫小牧中央)だ。中学時代は軟式の全国大会決勝で完全試合を達成し、道内外の強豪からの誘いもあったが地元の苫小牧中央に進学。これまでは室蘭地区予選をなかなか突破できずにいたが、この夏は3試合連続完封をマークするなどチームを南北海道大会準々決勝に導いた。

 最終的には駒大苫小牧に2対3で敗れて優勝はならなかったものの、この試合でも8回を完投して15奪三振をマークしている。173cmと上背はないものの、がっちりとした体格で下半身が強く、常時140キロ台をマークするストレートをコーナー、低めに集めるピッチングは安定感抜群だ。制球力と投球術では高校球界屈指と言える。既にプロ志望届も提出しているが、サウスポー不足の球団には非常に魅力的な投手と言えるだろう。

 野手では総合的に見てナンバーワンという実力を誇るのが小深田大地(履正社)だ。昨年夏の甲子園も3番、サードで全試合に出場してチームの優勝に大きく貢献したが、新チームとなってから更に凄みが増している。

 昨年秋の近畿大会では3試合で6割を超える打率を残したが、久しぶりの公式戦となったこの夏もホームランこそ1本だけだったものの、6試合で21打数11安打10打点と5割以上の打率を残し、改めてその実力を見せつけた。長打力と確実性を兼ね備えたバッティングは迫力十分で、打撃技術は先輩の安田尚憲(ロッテ)の高校時代よりも確実に上に見える。守備力も高く、最近プロで不足している強打のサードとしてドラフトでも注目を集めることになるだろう。

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野手でもう一人“違い”を見せたのは?