自転車の運転ルールやマナー守っている?(撮影・児玉響子)
自転車の運転ルールやマナー守っている?(撮影・児玉響子)

「密を避ける」ことから、今、電車ではなく自転車で通勤通学をする人たちが増えているようです。筆者は以前からよく自転車に乗っていましたが、コロナ禍で片道20キロ程度の距離であれば自転車で移動をするようになりました。便利な反面、危険な場面を目にする機会も増えました。皆さんも自転車のマナーをいま一度見直してみませんか。

【図】注意!都市部で交通事故が多発する交差点とは

■   交通ルール一切無視!の危険自転車たち

 自転車は左側通行です。この基本ルールを破っている人の多いこと、多いこと! こちらが左側で走っていても、真っ向から右側通行で自転車が突進してくる。それも1台、2台ではありません。しかもこういう人は、ルールを守っているこちらが通行を妨げているとして自転車ベルをけたたましく鳴らし、ときには「邪魔だ、コラァ!」と怒鳴りつけてくることさえあります。

 先日、前かごにあふれんばかりの荷物を載せ、後ろには幼稚園くらいの子どもを乗せた女性を見かけました。子どもがいると買い物の量が増えますから、前かごが“ピサの斜塔”状態になるのもわかります。しかし、これにとどまらず、右のハンドルにはお寿司のファミリーパックサイズの折詰を引っかけ、左のハンドルには幼稚園バッグらしきものを提げてフラフラと運転していたのです。案の定、向かいから来た自転車とぶつかりそうになり、バトルが勃発していました。 

 警察庁の「自転車関連事故件数の推移」によると、交通事故における自転車関連事故が占める割合は20パーセントほど。件数自体は、この10年で減少傾向にありますが、割合は令和元年は前年よりも増加しました(※)。

 警察庁によると、自動車と自転車の出会いがしらの事故が多く、自転車側にも安全不確認や一時不停止等の違反が多く見受けられるそうです。つまり、自転車側にも事故の原因はあるのです。自転車は道路交通法上、軽車両で“車の仲間”です。あらためて、自分はもちろん、他の人を傷つけないためにも交通ルールを見直してみましょう。

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最低限のルールを守るだけでは事故は防げない