政権の思惑?営業再開可でもバンコク歓楽街が「諦めた」二つの理由<下川裕治の旅をせんとや生まれけむ> (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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政権の思惑?営業再開可でもバンコク歓楽街が「諦めた」二つの理由<下川裕治の旅をせんとや生まれけむ>

連載「旅をせんとや生まれけむ」

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旅行作家の下川裕治氏(しもかわ・ゆうじ)

旅行作家の下川裕治氏(しもかわ・ゆうじ)

暗いバンコクのソイ・ナナ。街で働いていたタイ人の多くは田舎に帰ったという(撮影・山内茂一)

暗いバンコクのソイ・ナナ。街で働いていたタイ人の多くは田舎に帰ったという(撮影・山内茂一)

 プラユットが率いる軍事政権は、バンコクをシンガポールのような街にしたいと思っているといわれる。しかしそれは表向きの話で、本音は開発独裁型政権。つまり権力を政権に集めていこうとしているとタイの識者は分析する。バンコクの路上から屋台を一掃したのはその政策のひとつだった。

 タイにはロックダウンや営業時間の短縮に対する店側への補償がない。店を存続させるには融資を受けるしかない。ソイ・ナナの歓楽街は消滅の危機に直面している。

 もちろん反発も多い。反対集会を防ぐために非常事態宣言を延長しているという噂のなか、8月16日には、1万人規模の反政府デモが起きた。そのなかではタイでは昔からくすぶっていた王室改革の主張も出てきた。

 暗いソイ・ナナを眺めるバンコクファンの日本人の気持ちも千々に乱れる。なんとか以前のバンコクに戻ってほしい。しかしコロナ禍が去ったとき、バンコクは違う街に姿を変えているかもしれないという不安がよぎる。

■ 下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(週)、「沖縄の離島旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)。


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下川裕治

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(隔週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(隔週)、「タビノート」(毎月)など

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