■鉄道事業者により見解が異なるもの

●JR西日本とJR東海で見解が分かれる新快速
 新快速は国鉄時代に京阪神地区で誕生し、分割民営化後はJR西日本に引き継がれたほか、JR東海も追随するかたちをとった。英語表記については、JR西日本は「Special Rapid Service」だが、JR東海は「New Rapid」と異なる。

 JR西日本の新快速は、最高時速130キロという特急並みのスピード、車内に転換クロスシートを並べることで国鉄急行以上の快適性を誇る。途中駅で快速を追い抜くことから、“特別感のある快速列車”といえる。

 一方、JR東海は新快速の上に特別快速があり、「Special Rapid」と表記。種別の背景色は黄色、文字は黒色で、新幹線「のぞみ」を彷彿させる。

●阪急電鉄の通勤特急
 京都線の通勤特急は「Commuter Limited Exp」なのに対し、神戸線の通勤特急は「Limited Exp」、通勤急行(京都線には設定されていない)は「Express」と異なる。同社によると、神戸線については、京都線と同じ英語表記への更新を進めているという。したがって近い将来は、列車種別の英語表記も統一され、わかりやすくなる。

■英訳の由来が不明なものも

●阪神電気鉄道と山陽電気鉄道
 阪神電鉄の特急系については、大阪梅田~山陽姫路の直通特急を中心に、自社線内の特急、ラッシュ時運転の区間特急が設定され、英語表記はすべて「Limited Express」に統一されている。同社によると、英語表記設定当時の社員がいないため、詳細は不明だという。

 相互直通運転を行う山陽電鉄も、自社線内の特急、S特急もすべて「Limited Express」である。それを鑑みると、特急系の英語種別を統一させることで、外国人にわかりやすくする狙いがあるものと考えられる。

●京阪電気鉄道
 準急を「Sub-exp」、区間急行を「Semi-exp」と表記している。こちらもいきさつについては不明だという。面白いのは準急の下が区間急行であること。京阪本線(淀屋橋~三条)内、準急は萱島(かやしま)以遠各駅に停まるのに対し、区間急行は5つ手前の守口市以遠各駅に停車する。

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神戸電鉄には真相が謎の英語表記が