京浜急行電鉄では「快特」も「特急」も英語では同じ「Limited Exp.」と案内する(写真/岸田法眼)
京浜急行電鉄では「快特」も「特急」も英語では同じ「Limited Exp.」と案内する(写真/岸田法眼)
「Regional Rapid」と英字表記されたJR九州の区間快速(写真/岸田法眼)
「Regional Rapid」と英字表記されたJR九州の区間快速(写真/岸田法眼)
JR西日本の「新快速」は、英語では「Special Rapid Service」と案内(写真/岸田法眼)
JR西日本の「新快速」は、英語では「Special Rapid Service」と案内(写真/岸田法眼)

 列車には、特急、急行、快速、各駅停車などといった「種別」がある。各駅停車や普通列車は各社でほぼ「Local」に統一されているが、なかには日本語と英語が一致しない列車種別もある。日本人は気に留めなくても、外国人にとっては、混乱を招くのでは? 気になりそうな列車種別の英語表記を探ってみた。

【写真】JR西日本の「新快速」は英語でなんて表記か?

■列車種別の一般的な英語表記

 まずは列車種別の一般的な英語表記を取り上げてみよう。

●特急と急行
 特急は「Limited Express」、もしくは「Ltd. Exp」と略すのが一般的だ。Limitedは「限定された」などの意味を持ち、Expressを付加することで「停車駅が限定された列車」、すなわち特急となる。

 Express(「Exp」と略すこともある)のみは一般的に急行となるが、JR東日本・西日本・四国は、特急の列車愛称に「エクスプレス」を冠す列車もある(「成田エクスプレス」「びわこエクスプレス」「ミッドナイトEXP高松」など)。

●快速
 快速は「Rapid」(JR西日本は「Rapid Service」)で、鉄道の快速列車のほか、「素早い」「急激な」などの意味を持つ。普通車指定席などの有料座席を除き、運賃のみで乗車できる。特急や急行に比べ停車駅が多い列車が主流だが、臨時快速「ムーンライトながら」などの長距離列車は特急並みに停車駅を品川、横浜、小田原(下りのみ)、沼津、静岡、浜松、豊橋(上りのみ)、名古屋、豊橋、岐阜に絞っている。

●準急
 準急は「Semi Express」(「Semi Exp」に略することもある)で、「Semi」は「半分」という意味を持つ。基本的に急行運転区間と各駅停車区間をセットにした列車である。かつては国鉄にも有料列車として存在していたが、現在は私鉄のみ設定され、運賃のみで乗車できる。

●区間快速・区間準急
 大手私鉄の一部には、基本的な種別に「区間」が付くものもある。区間快速、区間準急などが存在し、「部分」「一片」という意味の「Section」を先頭に配することで「Section Rapid」「Section Semi Express」と案内する。運転方式は先述の準急と同じ。ちなみに、区間準急は準急に比べ、急行運転区間が短く、各駅停車区間が長い。

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各社の独自の見解を持つ英語表記も