地上波のニュースで引き揚げのことを取り上げたとしても、せいぜい10分程度じゃないですか。どうして、企画が上がったかというと、もう急がないと戦争のことを話せる人がいなくなってしまうということから。今のうちに映像資料としても流そうということになり、宝田さんの出演もOKになり放送となったわけです。

 僕はそこで何を知ったかというと、満州に住んでいた男たちは全員シベリアに抑留されると思っていたんですけど、そうじゃなくて、満州にいた日本兵はどんどん捕まるけど、宝田さんのお父さんは満鉄の社員だからそうではなかった。

 あと、残留孤児の問題で、みんななんとか引き揚げで逃げ帰ったという状態だったと思っていたのだけれども、引き揚げの第一次、第二次、第三次……と続いて、「宝田さんはなんで当時すぐに逃げなかったんですか?」って聞いたんですよ。宝田さん家族は満州に住んでいるから、日本から正式に引き揚げの連絡がくるだろうと。それまでは、ここで生活するしかないと、そう考えている人たちが結構いたらしく、宝田さんたちは第三次の引き揚げで日本に帰ってきた。第三次で引き上げられるまで、仕事もないし、風紀もめちゃくちゃで、銃を持ってレイプしにくるから団地のみんなで見守りしていて大変だったとも話していらっしゃいました。

 そういう話を聞けて、面白かったというと語弊があるけれども、満州って完全に植民地だと思っていたんだけど、いろんな人種がそこにはいたんですよね。それをバックで握っているのは日本軍なんだけれども、「ここは日本のモノだ!」って感じではなかったわけですよ。形は満州国という国で、他民族国家。教科書で知る満州と住んでいた人から聞く満州では、「そういうことだったのか!」「そんなことがあったんですか!」と全然違う。聞くに堪えない酷いこともたくさんあった。また、満州での一般的な生活という話も聞けるわけです。なかなかそういう話を聞ける機会はないので面白かった。

 実は、今週22日土曜の放送も攻めた企画をやるんですけど、これはまだ情報解禁ではないので内容は言えないのですが……。なかなかテレビではやりずらい内容で、取り上げたとしても、どこも深掘りできていない内容を2時間の生放送でやります。

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攻めた企画であることがバレ始めている!