しかし、4年後には大きな挫折も味わうことに。急性薬物中毒で搬送され、自殺未遂かと報じられたのである。これについて本人は、公式HPにコメントを発表。

「家族と言い争いをしている最中のことだったのですが、ついカッとなってしまって、僕が通っている医師の方から処方していただいた安定剤の薬をいつもより多めに飲んでしまうという行動をしてしまい、その結果具合が悪くなったため、自分で救急車を呼んでもらうようお願いしました」

 としたうえで「自殺をしようとしたということでは全くありません」と説明した。が、この一件で心身のバランスを崩していたことが明らかになり、芸能活動をいったん休止。その後、激太りやアルバイト生活を経験することになる。

 とはいえ当時、この挫折をそれほど意外には感じなかった。芸能界に限らず、若くして大きすぎる栄光を味わった人にはありがちなことだからだ。

 一方、三浦はどうかといえば、柳楽がブレークした2年後にヒロインの恋人を演じた「14才の母」(日本テレビ系)がヒット。その2年後には「ブラッディ・マンデイ」(TBS系)に主演して、18歳でトップ俳優の仲間入りを果たす。その後も順調にキャリアを重ね、その歩みは柳楽よりも堅実な印象だった。「14才の母」で共演した志田未来、あるいは神木隆之介らと同様、最近の子役出身者らしいスムーズな成長の理想型にも思えたものだ。 

 それだけに、今回の急逝には驚かされた。が、死後の報道からは秘められていた葛藤も見えてきている。小学校時代に親が離婚。母が再婚して継父との三人暮らしとなり、売れてからは彼が家計を支えるようにもなった。そんななか、マルチっぽいビジネスに手を出していた母と、関係が疎遠になっていった、とも。「デイリー新潮」によれば、何度も引退を考え「土浦に戻って、町工場でも何でもいいから人目につかない所で普通に生きたい」と、周囲に漏らしていたという。

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三浦春馬と沖田浩之の共通点