半沢直樹を演じる堺雅人(C)朝日新聞社
半沢直樹を演じる堺雅人(C)朝日新聞社

 7年ぶりの続編となった「半沢直樹」(TBS系)が予想以上に健闘している。視聴率は初回が22.0%、第2話が22.1%、第3話が23.2%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。新型コロナの影響で放送開始が2カ月ほどずれこみ、苦戦を予想する声もあったが、蓋を開けてみると「やっぱり半沢はおもしろい!」との声が圧倒的だ。主人公演じる堺雅人の熱演だけでなく、敵役の香川照之、そして新たな敵として立ち塞がる市川猿之助の怪演ぶりに、7年のブランクやコロナの影響など感じさせないほど作品に没頭できると評判だ。

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 2013年、前シリーズの最終回で42.2%という高視聴率をたたき出し、平成のドラマ史上最高視聴率を獲得したが、果たして前作を超えることはできるのか。テレビ情報誌の編集者はこう語る。

「前シリーズも最初の3話までは視聴率が20%台前半で推移し、4話目から20%台後半に急上昇。奇しくも同じような軌跡をたどっているので、4話目以降の仕上がりがとても気になります。前作で平成ドラマ史上最高視聴率を獲っているので、戦略はきっと立てているはずで、前シリーズと同じ推移で最終回の40%越えを狙っていると思います。内容的にも、堺雅人さんが7年のブランクを感じさせないほどの仕上がりぶりが凄い。3話までは市川猿之助さんが存在感を出してましたが、ここから半沢との因縁がある大和田役の香川照之さんが前作以上の顔芸を見せてくれることでしょう」

 近年のドラマでは、TVerで見逃し配信をするが主流だが「半沢直樹」はダイジェストとSP予告のみ。これも「生放送で絶対見るはず」という制作陣の自信の表れだろう。一方、「今回の顔芸はバージョンアップしている」と絶賛するのは、民放ドラマプロデューサーだ。

「前作から顔芸は話題になってましたけど、今回はさらにすごい。前作ラストで土下座させられた香川照之さんは今のところ鳴りを潜めていますが、実の従兄にあたる香川さんにインスパイア―された市川猿之助さんの顔芸がしっかり世界観を構築している。また、新型コロナの影響でどのドラマも3密を回避する撮影方法がとられていますが、『半沢直樹』は変わらず主要キャストが“密なにらめっこ”をやり切り、職場や酒場のシーンではエキストラも相当入れている。ウィズコロナ時代のドラマとしては、画に圧倒的な密度があるんです。何かと簡素化が求められがちなこの時代に、この重厚な仕上がりはかなり貴重。ソーシャルディスタンスを取ってるドラマには、正直誰も気持ちが入っていかない。3密以上の密度をはらんだ半沢の世界こそ、コロナで疲弊した今の日本人には響くのでしょう」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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