しかし、バドン監督に代わっても状況は好転せず、9月に入ってから12試合連続未勝利(4分け8敗)で11月26日の第33節にJ2降格が決定。読売クラブ時代から日本サッカーを牽引してきた名門クラブが、年間6勝(12分け16敗)しか挙げられずにJ1に別れを告げた。

 2012年のガンバ大阪も、戦力的には上位を狙えたチームのはずだった。10年間続いた西野朗体制からの“発展”を狙ったその年、「セホーン&呂比須ワグナー」体制が機能せず。チームには遠藤保仁、二川孝広、明神智和の重鎮に加え、倉田秋、丹羽大輝が復帰し、新たに日本代表の今野泰幸も加入し、藤春廣輝、内田達也、阿部浩之の若手陣も戦力となっていたが、ACLも含めて公式戦5連敗スタートで早々に監督解任となった。

 クラブOBの松波正信監督のもとで再出発を図ったが、守備の崩壊に歯止めがきかず、7月を終えて3勝5分け11敗と低迷。夏の移籍市場でレアンドロ、家長昭博、岩下敬輔と大型補強を敢行し、8月以降は6勝6分け3敗と巻き返したが、勝てば残留できた最終節・ジュビロ磐田戦に敗れてクラブ初のJ2降格が決まった。得失点差プラス2(総得点67、総失点65)での降格は異例で、前田遼一のデスゴール(前田にシーズン初得点を許したチームは同年に降格する)のジンクスが6年連続で成立したことでも話題になった。

 その2年後、2014年のセレッソ大阪も「まさか」の降格だった。前年に柿谷曜一朗が覚醒し、南野拓実がベストヤングプレーヤー賞を受賞。新監督にポポヴィッチを迎え、オフには長谷川アーリアジャスール、元セルビア代表のカチャルに加え、南アフリカW杯MVPのウルグアイ代表FWフォルランを獲得。

 その他の主力にも、山口蛍、扇原貴宏、丸橋祐介、杉本健勇、酒本憲幸、藤本康太、山下達也と面子は揃っていたが、第2節から3連勝を飾ったのも束の間、フォルランが一向にフィットせずに攻守両面が機能不全に陥り、第5節から第14節までの9試合を1勝4分け4敗で監督交代となってしまう。

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一度歯車が狂うと…