映画で何度も描かれる小川議員と家族が選挙を戦う姿は観客の胸を打つ。

――選挙ビラを配り、名前を連呼するだけとか、古くからの選挙スタイルに疑問や理不尽さを感じますか?
 
 感じますね。選挙制度の問題だと思うんですけど、政策とか人柄とか、その人が発する言葉とか、そういうのがしっかり見えるテレビ討論会とかあればもうちょっと分かってもらえるんじゃないかと思います。普段から報告会とか個人演説会とかはやるんですが、わざわざ時間を割いて行かなきゃいけないですよね。事務所から電話をする電話作戦が今は主流なんですけど、でも、今どき番号を知らない不審な電話になんか出ないじゃないですか。昔のやり方だなぁと思います。何より、迷惑ですよね、すみませんという思いでかけます。だから、本当の姿はなかなか見てもらえないんですよ。お祭や飲み会でいっぱい握手するとか、そういうことか?と思いますが、それが大事。政治家って普段なかなか会わないから、ちょっとでも見たことある、手を握ったことがあるというのは身近になる。身近に会ったことある、あの人知ってる、じゃ、入れようと単純になるのは分かるんですけど、そうじゃないところで見てもらって比べられる土台があったらと思います。

――選挙運動をしていて、一番つらいことはなんですか?

 選挙運動に限らないんですけど、普段のあいさつ回りでも、たとえばピンポンして玄関口で「こういう者ですけど」って伝えると、「ああ、もう、関係ないけん。政治はもういいんや」と言われてしまう。関係なくはないじゃないですか、本当は。そういうときに、「そうかぁ、壁は厚いな」と思ってしまいます。でも、私が逆の立場だったら、そうなっていたかもしれないと思います。

 それでも共に歩んできた夫を議員に持つ妻としての生活17年。今、明子さんはどう感じているのだろうか?

――夫としての小川議員に点数を付けるとしたら?

 すごく尊敬するところと、「いやあ、ちょっと待ってよ」というところが同居してるから。難しいなぁ。難しいけど、97点ぐらい。

――ほぼ満点じゃないですか!

 まあまあね。価値観もいっしょだし、ずっと変わっていないし。子どもに対しても愛情も厳しさもバランス良くあるし。総合的に見ると、そうなります。満点の人はいないから、満点じゃないけど。

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