■霜降り明星や笑い飯も登場

 たとえば龍谷大学(京都市)は8月1日から2日にかけ、「27時間連続オンライン放送のオープンキャンパス Ryukoku 27 hours Live」を開催した。ライブ配信に吉本芸人がゲスト出演したほか、お笑いコンビ・笑い飯の二人が出演する収録映像も配信された。

 また、近畿大学(大阪府)は “キャンパスをOPENしない”かつ“大学を身近(CLOSE)に感じられる”イベントという意味の「CLOSE CAMPUS」と題したWEBオープンキャンパスを7~9月に月1回開催。7月26日に開催された際は、入試概要説明やキャンパスツアーなどを学内からYouTubeライブで配信した。メインコンテンツの同時視聴者数は最大で1000人ほどで、アーカイブを含めた視聴回数は8月4日時点で1万回近いという。

「ライブ配信中、参加者から書き込まれた質問にその場で職員や学生が回答するようにしたところ、たいへん好評でした」(同大学広報室)

 ライブ配信の途中には、同大学出身であるお笑いコンビ・霜降り明星のせいやと相方の粗品が大学周辺やキャンパス内を散策する動画を複数回に分けて配信した。

 一方で、WEBオープンキャンパスだけで大学を選ぼうとすることは危険だと、安田さんは指摘する。

「大学がWEB上に公開する大学の姿は、いわば大学が見せたい『オモテ』の姿にすぎません。実際に大学に足を運べば、『この建物はキレイだけど、こっちは少し古いんだな』などといった、『ウラ』も見えてくる。それも踏まえたうえで志望校を決めないと、いざ入学してから『イメージが違った』と落胆してしまう可能性があります。実際、少し前のことですが、地方在住の受験生が偏差値だけを基準に首都圏の大学を地方入試で受験して合格し、一度も足を運んだことのないまま入学したところ、あまりに自分のイメージと違っていたために退学してしまったという例がありました。いくらオンラインで情報が得やすくなったとはいえ、一度も実際に行ったことのない大学を志望するのはおすすめできません」

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コロナ禍の大学選びで注意すべき点とは?