―野田社長について行ったのは恩義があったから?

 それもあります。私はその後、野田さんの事務所も円満に退社したので、今でも仲が良いです。LINEのやりとりもしますし、この間も近況報告のお茶をしました。何といっても15歳から一緒にいる仲なので「会長の葬式代は私が出すからね」って話をしているんです。

―騒動後、芸能活動に支障はでましたか?

「干す・干された」とかいう言葉もありますが、移籍による前事務所からの妨害はないです。強いていえば、私のこれまでの芸能仕事のポートフォリオが根こそぎ捨てられてしまったことぐらいかな。イエローキャブから新しい事務所に移籍してから、前の事務所に「資料をください」と連絡したら「ない」って言われてしまって。もう過去の人になっているんだなって。

―芸能界の大先輩としてムネ君へはどんなことを教えたいですか?

 世の中、特に芸能界はいろんな人がいるので、どうやって良い人悪い人を見抜くか、どうやって道を切り開いていくかを、芸歴25年の私の背中を見て学んでほしいです。そのために意識していろんな人に会わせるようにしています。あとはコミュニケーション力というか、コメントの切り返し方なんかも。この前もムネ君と一緒のときに見知らぬおじさんに「昔は”お世話”になりました(笑)」と声をかけられてしまって。内心「なんてデリカシーのない人だ」ってあきれたんですけど、そんな時でも私だったら「どうも。あれは”使えない”写真集で有名でしたけどね」って返せるので(笑)。

―最後に今後の目標を教えてください。

 平成生まれの若い世代は私のことを知らない人が多いので、YouTubeの開設は逆にチャンスだと思っています。私が若いころはバラエティーに出ると「なんとか爪痕を残そう」と必死で、過剰に自分を演出していた。母になって穏やかになった「山田まりや」を見て、ファンになってくれる方がいたらうれしいです。

<プロフィール>
やまだ・まりや/タレント。1996年グラビアアイドルとしてデビュー。第1回 ミスヤングマガジングランプリ受賞、フジテレビビジュアルクイーンオブザイヤーに選出され、多くのバラエティー番組に出演する傍ら、『ウルトラマンダイナ』『すずらん』など女優としても活躍。08年、俳優・草野徹と結婚。12年、崇徳くん出産。20年にYouTube『ムネまりチャンネル』を開設。

(聞き手・原田加菜)