6月24日のイースタンリーグ、巨人戦では5番・指名打者で初めて先発出場し、この日からの5試合で1本塁打を含む9打数4安打をマークすると、7月7日には一軍昇格。今季初の有観客試合となった11日の巨人戦(ほっと神戸)で一軍では308日ぶりの安打を放ち、19日の広島戦(マツダ)ではファーストで312日ぶりの守備にも就いた。そして、25日の巨人戦──。

 久しぶりのヒーローインタビューで、「新しい様式」により自らマイクを握った川端は「今年は春のキャンプも行けずにずっとリハビリを続けてきたんですけど、やっとここまで来れまして、またこのお立ち台に立てるっていうのがもう本当に今、不思議で仕方ないです」と心境を語ると「久しぶりに温かい声援をいただいて、本当に嬉しく思います。本当に力になります」と、ファンへの感謝を口にした。

 ちなみに川端のサヨナラ打はこれで通算4本目。1本目(単打)の2015年はリーグ優勝、2本目(本塁打)、3本目(二塁打)の2018年は2位と、ヤクルトはいずれも前年の最下位から監督が交代して躍進した。今シーズンもここまで2位と、高津臣吾新監督の下で下馬評を覆す健闘を見せているが、このサヨナラ打が新たな“吉兆”になるだろうか?(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。