――その他の英語教師、または英語教育と山内さんの違いはなんですか?

 生徒によって、その目的によって柔軟に教え方を変えているところだと思います。生徒数を増やして、ただ利益をあげたいのであればカリキュラムを組んで、生徒数を増やせばいい。影響力を拡大したいとはいえ、目標は「人生を変えたい」ですから、その場合、こちらのやり方を押し付けるのではなく、相手に合わせることが重要になります。ですから生徒によって授業の内容はがらっと変わります。20~30代野多い留学目的であれば、英語を楽しんだり、留学に関する実務的なことも教えます。30代や40代に多い資格習得であれば、限られた時間でいかに効率よく目標スコアに到達できるかどうかを優先します。最高齢の90歳の生徒であれば「ボケ防止」などもあります。

――はじめに「どうすれば英語を話せるようになる?」と聞きました。同時に「どうすればTOEICで高得点、満点をとれる?」もよく聞かれる質問だと思います。正直、うんざりしませんか?

 それも毎日のように聞かれます(笑)。海外の大学を卒業、TOEIC満点などの経歴があるため、そうした質問をされるのは当然だと思います。でも最終的に私が言うのは「英語なんてどうでもいいよ」ということです。これには理由があります。当たり前のことですが、英語を学んだ後の人生のほうが英語学習よりも何百倍も重要です。ですから生徒には「資格をとって何がしたいの?」「英語を話せるようになってどうするの?」など、必ず質問をするようにしています。そうした問いかけを経て、最終的に「英語を学ばなくてもいいや」となった生徒もいます。

――6月にYouTubeチャンネル「それゆけ山内先生」を開設しました。今後について教えてください。

 英語を音楽や絵画と同じように楽しんでいる様子を伝えていくつもりです。本業はあくまでも英語教師ですが、語学を学問として捉えるだけでなく、「英語を日常生活に落とし込んでみては?」という提案をしてみたいと考えています。ですから、冒頭でお話したような喫茶店での英会話や外国人女性と仲良くなるための実践英会話を街に出て台本なしで収録しています。

――外国人女性とは仲良くなれましたか?

 詳細は動画をみていただければ嬉しいです。英語ができるだけで男女関係がうまくいくとは限らないという、いい例になったと思います(笑)。

(AERA dot.編集部)

◆山内勇樹
やまうち・ゆうき/1980年長崎県生まれ、広島育ち。英語教師。99年に渡米し、UCLA卒業(脳神経科学専攻)。TOEICテスト990点満点、TOEIC SWテスト400点満点、TOEFL iBTテストベストスコア120点満点を取得。語学教育・留学サポートを行う「Sapiens Sapiens」の代表取締役。