今日は、7時だったけど、明日は7時15分で、次の日は7時5分に朝食、というのは、たかが5分、10分違いなのにと思われるかもしれませんが、このわずかな時間が子どものやる気を削ぐのです。ただでさえ、家の中はだらだらと時間が流れがちです。家の雰囲気を律するには、5分、10分の違いは大きいですよ。お母さんが忙しいときには、昨日の残り物でもいいので、とにかく時間を守り7時ちょうどに出すことです。

 何事もスタートが肝心です。決めた時間に「よーいドン」で始められるようにするとその1日がきちんとしたものになります。昼食、夕食も同じように始める時間を守り、24時間を規律正しいものにすることです。
 
 親が時間に厳しい態度で臨まなければ子どもは動きません。高校生でもそうですから、小中学生はなおさらです。そして毎朝、「さあ!今日も元気よく頑張りましょう!」と明るく声をかけてくださいね。

――先の見えないコロナ禍で大人も漠然とした不安を抱いています。このような状況下での受験生やその親にアドバイスはありますか。

佐藤:先が見えないときには、目の前の見えるものだけに集中することです。先のことを心配しても仕方がありません。「目の前のやるべきものをいかにしっかりやるか」です。今やるべきことをしっかりつかんで離さない握力が試されるときなのです。

 昨日のことも明日のことも考えない。今日一日をいかに生きるかに集中する。今年はいつもより早め早めに人生を回すつもりで。後回し、先延ばしは危険です。

(聞き手/AERAdot.編集部 鎌田倫子)