YouTubeに限らず、いかなる事柄においても、進化し続けなければ生き残れません。YouTuberは1度ヒットを打っても、その後も活躍し続けるためには同じことを続けるわけにはいきません。時代の流れや視聴者層の感覚の変化、アルゴリズムの変化など、多くの変化に気づき、対応し続けなければ、1年以内に衰退してしまいます。

【写真】YouTuberに転身して大成功したアイドルはこの人

 みなさんが知っているであろうYouTuberで3年以上人気でいる人々は、時代や視聴者の変化に敏感に反応して対応しています。試しに人気YouTuberの3年前の動画を見ていただきたいです。おそらく、今の動画と編集や企画やターゲットなどの項目が、変化しているはずです。この変化がないチャンネルは、進化していないため、「オワコン」になっているか、マンネリ化してつまらなく感じるはずです。

 人気のラーメン屋さんの特集でも、お客さんは「何年も変わらない味だから好きだ」と語り、店主は「毎日、季節や天候で味を変えている」と話していました。顧客の気づかないところで、絶えず進化し変化し続けるサービスや商品やコンテンツが、長期的な人気を得られます。YouTubeに限らない話です。

 そこで今回は、変化の大切さと変化しない部分の大切さについてお話しします。先ほどまで私は「変化が重要だ」と言いましたが、実は根本的な部分は変化してはならないのです。この点を見誤って、迷走する人々が多いです。

「自分や自分のコンテンツの何が人気なのか」を理解している人は、強いです。その人気の要となっている部分を変えなければ、長期的な活躍ができます。逆に、「なぜ人気になったのか」を理解できていないと、一発屋芸人のように1年以内の消耗品的な人気で終わってしまいます。

 最近、YouTubeに進出した人気者として手越祐也さんがいます。手越さんのYouTubeチャンネル、「手越祐也チャンネル」は、登録者139万人、再生回数は3000万回を超える、芸能人でもトップクラスの人気のチャンネルです。

 地上波では「手に届かないジャニーズの王子様」キャラクターでありながら、バラエティー番組でみせるユーモラスな姿のギャップ、抜群の歌唱力が”孤高のアイドル”として大人気の演者さんでした。YouTubeでは、「王子様」としての手越さんではなく、「素の部分を見せていく」というコンセプトの企画をしているように感じます。これは、ある種の変化と言えますが、少々もったいない部分もあります。

 なぜなら、これまでに獲得したファンを手放すことにつながるからです。手越さんは、もしかしたら本心では演じているのが嫌だった可能性もありますが、15年ほどかけてジャニーズ事務所で築きあげた「王子様の手越さん」というイメージがあります。このブランディングは、事務所と手越さんの努力や工夫によってもたらされたものです。例えば、手越さんは彼のファンのことを「子ちゃん」と呼び、歯の浮くようなセリフを言ってファンを湧かせるという、素晴らしいコミュニケーションをライブなどでしていました。

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なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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