「編成にはバランスが大事だが、これまでは補強に偏りすぎていた。最近は育成に力を入れるようになってきたが、まだまだ時間がかかる。他球団ファンを含めて『金権野球』などと反発はあるだろうが、当面は補強も大事にするはず」(同上)

 まずは補強で二塁手を固めて時間を稼いでいる間に、若手の柱を育てたい。山田獲得に全力を注ぐ可能性は大きい。これは球界勢力図まで大きく変えることにつながる。

「本来(の姿)ではないでしょう。あれが本来だったら改名せにゃいかんよ。『悪川くん』かな。『良し(吉)川くん』にならなきゃ」

 原監督は今月9日、ジョークまじりに期待に応えられていない吉川の現状を語った。それは、誰よりも気になり、戦力として考えているからに他ならない。そして多くのファンと同様、生え抜きのスピードスターが現れることを願っている。

 吉川は16日の広島戦では3号2ランを放つなど、昨年に続くマツダスタジアムでの相性の良さを発揮。この活躍を今後も継続させ、結果でアピールを続けるしかない。

 今こそ野球人生最大の正念場といえる。下位打線で試合に出ている場合ではない。『1番セカンド・吉川』でスタメン定着した時、巨人の最強オーダーが決まる。新戦力など必要ない、という強烈なオーラを見せつけて欲しい。