帯番組で司会をやっているとランキングに必ず入るし、今回発表になっていたランキングに、コロナ関連でコメンテーターをされている昭和大学医学部の仁木芳人客員教授もランキングに入ったりもしているわけですよ。たしかに、ワイドショーに出ていただろうけど、人気ランキングに入るにはワイドショーに出ることっていうことなのか?ってことになりますよね。

 結局、何を言いたいかというと、そういう人気ランキングが表立って報じられることで、そのランキングに疑問を持たない人もいっぱいいるわけで、「へぇーそうなんだ」とだけ受け取って、それが「真実」になっていくわけですよね。世の中は「こうだ」っていう真実としてまかり通っていく。

 テレビ番組出演人気ランキングの他に、お笑い芸人のランキングも出ていましたが、そのランキングが「第7世代が圧倒的に人気、時代が変わりつつある」という記事仕立てで報じられると、それだけを見て疑問を持たない人は「そうなんだ、芸人も世代交代して、時代も変わりつつあるのかー」って納得する。印象操作というか、疑問を持たないとそうなりますよね?たしかに、お笑い第7世代って、すごい実力あって、僕も一緒に仕事をしていても楽しいんですよ。でも、実力があるから人気ランキングに若手が上がってきたわけでも、テレビにバンバン出るようになったのでもないんですよ。

 どうしてこういうことが起きるかというと、一番は、視聴率の取り方がそして数字の出し方が変わったんですよ。世帯からコアにターゲットが変わり、15歳から49歳をスポンサーが狙っていますよとなって、だからテレビ番組の制作も15歳から49歳に焦点を当てる番組を作ってくださいね~となったんですよ。

 テレビはいつの間にか世帯ではなくコアに向けたものになったんですよね。コア層、15歳から49歳をターゲットにするしかないってなったときに、若者相手にしなければいけない、だから若者をキャスティングしなきゃいけないとなる。そしてさらにこんな時代ですから、テレビ局もお金がないのでまだギャラの安い若手を集めれば、それで番組ができるわけですよね。なおかつ視聴者さんやスポンサーさんから苦情がでない番組を作るためにクイズ番組だ!漢字だ!インテリアだ!東大だ!となっているわけです。しかしそんな状況でも『有吉の壁』のように頑張って勝負しているおもしろいお笑い番組も多々あります。

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こうした状況に今後怖いなと思うことが