翌年も2年目のジンクスにはまることなく2年連続で全試合フルイニング出場を果たすと、ショートとしてシーズン歴代最多となる526補殺を記録し、ショートとしての守備は源田がナンバーワンということを数字で証明してみせた。昨年は死球を受けて連続出場記録は途絶えたが、安定した成績を残してチームの連覇に貢献。2年連続でベストナインとゴールデングラブ賞を受賞している。

 ショートのように一つのポジションではなく、時期も重なり合っているがスター選手の輩出が続いているという意味では広島の外野陣もそれに当てはまるだろう。前田智徳がプロ入り2年目の1991年にいきなりレギュラーとなり、翌年からは3年連続で打率3割を達成。前田がアキレス腱断裂で離脱すると、緒方孝市が頭角を現して1995年から3年連続盗塁王に輝くなどレギュラーに定着。更に金本知憲も同時期にレギュラーをつかみ、2000年にはトリプルスリーを達成した。

 金本が2002年オフにFAで移籍した後も前田と緒方は故障を抱えながら活躍を続けたが緒方は2009年、前田は2013年に現役を引退。そしてその後に登場したのが丸佳浩、鈴木誠也の二人だった。ともに高校時代は投手だったものの、野手としてプロ入り。丸はプロ入り6年目の2013年にレギュラーに定着すると、翌年からは4年連続で全試合に出場。2017年、2018年には2年連続でMVPを受賞し、ベストナインに5度、ゴールデングラブ賞にも7度輝いている。

 鈴木はプロ入り4年目の2016年にいきなり打率.335、29本塁打、95打点と大ブレイクしてチームの優勝にも大きく貢献。鈴木の活躍ぶりを緒方監督が称した“神ってる”という言葉は流行語にもなった。翌年はプレー中の怪我でシーズン終盤に離脱したものの、昨年は初の打撃タイトルとなる首位打者を獲得。侍ジャパンの4番へと成長を遂げている。金本以外の4人が高校卒であり、また指名順位も全員が1位ではないところに選手を鍛えて育てる広島らしさが出ていると言えるだろう。

次のページ
素晴らしい守護神の系譜も!