年寄りが嫌い…自分の冷酷さにゾッとするという52歳女性に、鴻上尚史が「それは逆では?」と思ったこととは (1/5) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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年寄りが嫌い…自分の冷酷さにゾッとするという52歳女性に、鴻上尚史が「それは逆では?」と思ったこととは

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 お年寄りへの嫌悪感が強く、自身が歳を取ることにも恐怖を感じるという52歳女性。お年寄りに優しい気持ちを持てない自分の冷酷さにゾッとするという相談者に、鴻上尚史が語りかけた、「どう老いるか、そしてどう死ぬかという哲学の問題」の結論とは?

【相談73】お年寄りにも優しい感情が持てず、自分が歳を取ることに恐怖を感じます(52歳 女性 パトリシア)

 現在、52歳で一人暮らしです。息子が二人いましたが次男は2年前に亡くなりました。その頃、夫とも離婚しました。長男は、結婚し、子どももいます。元々、一人が性に合っていたのか寂しさなどはなく、仕事もあり、今のところは食べていくには困らず、まずまず中年女としては恵まれている方なのかもしれません。

 ただ私は、歳を取ることにものすごく恐怖を感じています。「老後が心配」とか「一人で死にたくない」などではないのです。しわしわで思考力がなくなり、ただ生きているお年寄りに対して、嫌悪感が強いのです。じゃあ、女流作家のように生き生きして、しっかりしている人ならいいかというと、それも嫌いです。とにかく、突き詰めてみると「年寄りが嫌い」なんだと思います。だから、だんだん歳を重ねていく自分も嫌いなんだと思います。想像するだけで死にたくなります。

 先日も寝ている時に大きな地震がありましたが「避難所に年寄りと一緒に避難してどうなる? まだ小汚なくないうちにこのまま地震で死ぬのもよかろう」と思い、揺れるのに任せていました。残念ながら、地震で死にませんでしたが、それくらい年寄りになりたくないのです。

 だから、お年寄りに優しい気持ちを持てないし、特殊詐欺で騙されるお年寄りの話を耳にしても「そんなに判断力がなくなるくらいまで長生きしている人もどうかと思うわ」と、人とは思えない冷酷な気持ちの自分にゾッとします。

 歳を重ねることに肯定的になるには具体的にどうすればいいですか? このままでは、人としてダメになっていく気がします。


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