FC東京の安部柊斗 (c)朝日新聞社
FC東京の安部柊斗 (c)朝日新聞社

 久保建英(マジョルカ)の登場によって日本サッカー界は新時代に突入した。久保以外にも、すでに冨安健洋(ボローニャ)や堂安律(PSV)が日本代表の主力に定着し、昨年のコパ・アメリカ、E-1サッカー選手権では、大迫敬介 (サンフレッチェ広島)や板倉滉(フローニンゲン)、森島司(サンフレッチェ広島)、遠藤渓太(横浜Fマリノス)、田中碧(川崎フロンターレ)、小川航基(ジュビロ磐田)、前田大然(マリティモ)といった20代前半の面々が次々とA代表デビュ―を果たした。

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 さらに久保と同じ2000年代以降の生まれでは、西川潤(セレッソ大阪)、中村敬斗(シント=トロイデン)、菅原由勢(AZ)、染野唯月(鹿島アントラーズ)といった選手たちが期待の逸材として騒がれている。だが、今後の日本サッカー界を支えるは、彼らだけではない。「ウィズ・コロナ」の中で再開したJリーグで確かな実力を見せ、まだ世間的な認知度が低いながらも今後の代表入りが期待される若手選手をピックアップしたい。

 GKでは、小畑裕馬(ベガルタ仙台)に注目だ。ユース昇格1年目の18歳ながらリーグ中断期間で急成長して信頼を掴み、負傷した元ポーランド代表のスウォビィクに代わってスタメンの座を奪取。身長183センチとGKとしては小柄といっていい部類だが、素早い反応と正確なキックを武器に、デビュー戦となった7月4日の湘南ベルマーレ戦では堂々たるプレーぶりで完封勝利に貢献。続く浦和レッズ戦も2失点で敗れはしたが、随所で好セーブを披露した。経験がモノを言うポジションであるだけに、試合を重ねる度に成長できるはずだ。

 DFでは、町田浩樹(鹿島アントラーズ)に期待したい。下部組織出身で2016年にトップ昇格したセンターバック。2017年に右膝前十字靭帯損傷で全治6カ月の長期離脱を強いられたが、2018年にリーグ戦8試合、2019年には同22試合に出場。今季も開幕からレギュラーとしてピッチに立っている。魅力は190センチという長身を生かした空中戦の強さと精度の高い左足のキック。左利きの長身センターバックは世界的にも貴重で、攻撃を組み立てる上でメリットが大きい。冨安の相棒として、日本が育てるべき逸材だ。

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好選手が揃うMF陣で注目したいのは?