山本、種市よりも更に若い高校卒3年目のドラフト4位で早くもチームに欠かせない存在になっているのが平良海馬(西武)だ。大嶺祐太(ロッテ)を擁して2006年には春夏連続して甲子園出場を果たした八重山商工出身だが、平良が所属していた時期は部員数も少なく、3年春には連合チームで大会に出場するような状況だった。ただそんな中でも平良は小柄ながら150キロを超えるスピードをマークするだけでなく、打者としても非凡な才能を見せており、ドラフト4位で西武から指名されている。

 プロ入り後も自慢のストレートに磨きをかけると、2年目の昨年はシーズン終盤から中継ぎの一角に定着。今シーズンは初の開幕一軍入りを果たすと、ここまで7試合に登板して無失点と勝ちパターンの一人に定着しつつある。制球にはまだ不安が残るものの、150キロ台後半をマークすることも珍しくないストレートの勢いはプロでも上位だ。抑えの増田達至が今年国内FA権を取得予定で、オフの去就が不透明なだけに、近い将来クローザーを任されることも十分に考えられる。

 平良と同じ学年では遠藤淳志(広島)と山本拓実(中日)の二人も一軍で結果を残しつつある。遠藤は、霞ヶ浦時代は長身でセンスの良さは感じられたものの、とにかく体が細く、スピードも140キロ程度ということもあって、ドラフト5位でのプロ入りだった。プロでも数年間は体づくりかと思われていたが、フォームの良さもあって急成長を果たし、昨年は中継ぎで34試合に登板。終盤には勝ちパターンでも起用されて、1勝1セーブ6ホールドをマークしている。今年はオープン戦、練習試合で結果を残して開幕ローテーション入りを勝ち取り、ここまで2試合に登板して未勝利ながらチームからかかる期待は大きい。

 山本は市立西宮では関西でも屈指の好投手として評判で、大阪桐蔭の西谷浩一監督が熱望して練習試合が実現したとの逸話も持つ。ただ身長167cmという上背が敬遠されてか、ドラフト時の順位は6位と低いものだった。プロ入り後は一年目から一軍のマウンドを経験すると、昨年は7試合に先発して3勝をマーク。今年も開幕からローテーション入りを果たし、7月1日の阪神戦では今季初勝利を挙げている。小柄だが全身を使ったフォームで強気に攻めるピッチングが持ち味。プロ入り後に着実にスピードアップし、150キロを超えることもある。若手の多い中日投手陣の中でも、楽しみな存在だ。

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