もはや伝説的存在 “超豪華編成”として活躍した「夢空間」ってどんな列車?

鉄道

2020/08/11 10:30

・オロネ25-901:デラックススリーパー(2人用A個室寝台)
 ツインルーム3室からなり、1両の定員はわずか6人。1室はベッドルームとリビングルームなどからなる特別室「エクセレントスイート」(寝台料金6万6000円/2名)、2室は「スーペリアツイン」(同5万円)で、いずれもホテル並の面積と設備を備えることとなった。各室内にはバスタブつきのユニットバスを設けたほか、衛星放送対応のAVシステム、テレホンカード式電話など、意表をつく設備が揃う。内装は「オールド・ニュー」をコンセプトに、アールデコ調にデザイン。「スーペリアツイン」が線路向きの2台のベッドが並ぶのに対し、「エクセレントスイート」では「┌」状となっている点がスペースの限られた鉄道車両らしいところだが、ベッド幅は120センチと余裕たっぷりだ。

・オハフ25-901:ラウンジカー
 パブリックスペースとして、「知的遊空間」をテーマに内装等をデザイン。中央部に半円形のバーカウンターを設け、フロアにはラウンジチェアを14脚配し、ホテルのバーに劣らない大人の社交場を実現している。「オリエント急行」を意識したのか、カウンターの傍らには自動演奏対応のアップライトピアノが置かれているのも、従来のロビーカーなどとは異なるアイデアとなった。当初はバーテンが乗務しバー営業があったが、私が乗ったころはすでに廃止されていた。

・オシ25-901:ダイニングカー
 最後尾に連結される食堂車で、4人テーブルと2人テーブルがそれぞれ3脚つづ配置されているほか、中央部に個室も設けられている。ダイニングルームには高さ1160ミリ、幅1790ミリの大型窓が配され、非貫通となった後部窓からの展望も抜群。私が乗車したさいは、夕食と朝食のほか、夕食後の「パブタイム」では隣接するラウンジカーへのケータリングサービスも実施されており、贅沢なひとときを満喫することができた。

 残念ながらいずれの車両も引退して久しいが、「デラックススリーパー」と「ラウンジカー」は埼玉県三郷市のショッピングセンター「ららぽーと新三郷」で展示され、「ラウンジカー」は車内が休憩スペースとして時間を区切って解放されている。また、「ダイニングカー」は東京都江東区木場のフレンチレストラン「アタゴール」でダイニングとして活用されている。「アタゴール」のシェフ・曽村譲司氏は「オリエント急行」のシェフを務めたキャリアの持ち主。まさにあるべき場所に伝えられた幸せな車両ともいえるのではないだろうか。

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「夢空間」は非日常的な物体だった

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