川島:今は真船さんの漫画を読んで「私もテレビの世界に行こう」と思う人もいるんじゃないですか。

真船:結構いますね。私は人望がそんなにないんですけど、新入社員だけはみんな「あの真船さんですよね」って声をかけてくれたりします。でも、あれを読んでよく行こうと思ったな、っていうのもあって。「ちゃんと読んだか?」って思っちゃいますね(笑)。今はなぜかテレ東が入社したい局のナンバーワンになりましたから。それもおかしいですよね。絶対みんな両方受かったらテレ朝に行くと思いますけど。

川島:テレ東は将軍じゃなくて歩兵っていう感じですよね。いい意味で。だから一番フットワークが軽いし、どんなに大きな事件が起こっても淡々とカニの通販番組を流していたりする。

 あとは『ゴッドタン』が作ったイメージが大きいと思います。純度の濃いお笑いをやっているから、テレ東に呼ばれるときは芸人として試されているときなんです。

真船:たしかに『ゴッドタン』に出たときの川島さんは群を抜いて面白いです(笑)。

川島:(博多)大吉さんと一緒に「上品芸人ハメ外しクラブ」っていうのに呼ばれて、さんざん悪口を言わされて、性格の悪い部分を引き出していただいて。それがあったことでほかの番組にもたくさん呼ばれるようになったんですよね。それはテレ東でしかできないことだったと思うので、『ゴッドタン』には感謝しています。

真船:やっぱりあの番組は特別ですよね。

川島:めちゃくちゃなことを言っていても「『ゴッドタン』だから」っていうことで許されるみたいなところがあって、白昼夢みたいな番組です。それこそ劇団ひとりさんなんかも、『ゴッドタン』では下ネタ全開で要らんことばっかりしますけど、別の番組では池上彰先生の隣にスッといらっしゃったりするじゃないですか。だから僕なんかも、ほかの局で「あの感じでハメを外してください」って言われても「いや、無理や!」ってなるんです。今では『ゴッドタン』を含めてテレ東という1つのジャンルになっているのが面白いと思います。

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「テレビ局員はエリートではない」