ここまで4チームを挙げたが、残した成績を照らし合わせても「J2史上最強」の名に最も相応しいのは、2004年の川崎フロンターレだろう。前年J2で3位に終わってJ1昇格に失敗した後、新たに関塚隆監督を招いて新たなチーム作りを始めたこの年、プロ2年目のMF中村憲剛が中盤から長短織り交ぜたパスを次々と前線のジュニーニョ、我那覇和樹、マルクスに配球し、左サイドからはMFアウグストがチャンスメーク。

 守備ではDF箕輪義信、DF寺田周平、DF伊藤宏樹の3人が「川崎山脈」を形成して相手の攻撃を跳ね返した。そして、最終的に44試合で34勝3分け7敗の勝点105。104得点38失点の得失点差もプラス66。ジュニーニョが驚異の37得点で得点王に輝き、歴代最多のチーム総得点、得失点差を記録した。この年以降、常にJ1での戦いを続け、優勝争いにも加わり、2017年、18年にリーグ連覇を成し遂げた川崎フロンターレ。その栄光の始まりが、「J2史上最強」の2004年だったといえる。