世の中にはさまざまな幼児教室があるが……。画像はイメージ(写真/PIXTA)
世の中にはさまざまな幼児教室があるが……。画像はイメージ(写真/PIXTA)

 早期教育によって、わが子の才能を少しでも伸ばしてあげたいと思う親は多い。こうしたニーズに応えるために、さまざまな形の「幼児教室」が世にあふれている。だが、なかには迷信めいた「トンデモ育児論」を展開する教室も存在する。自身が通っていた幼児教室で、まるで「洗脳のような教育」が行われていたというライターが自らの実体験を記した。

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<赤ちゃん 泣きやまない 理由>

 その日も私は、生後3カ月の息子を抱えながら血眼になってネット検索をしていた。もう、育児疲れは限界に達していた。

 結婚して間もなく妊娠。「早く産まれておいで」。おなかの赤ちゃんに毎日声をかけ続けていた幸せな毎日が、出産後に一変した。

 夜の授乳で眠れないうえに、どうあやしても泣きやまない赤ちゃんの叫び声……。自分なりには頑張っているつもりだったのに、育児は全然うまく行かなかった。

 初めての育児でもあり、夫も頼りない。実母・義母のアドバイスは上から目線で聞く気がおきない。

 あんなにもわが子の誕生を心待ちにしていたはずだったのに、現実とのギャップに、どこかに逃げ出したいほどだった。

 この不安を解消できる“正解”がどこかにないかとスマホにしがみつき、深夜にネットの情報サイトなどをさまよった。でも、出てくる答えはほとんど一緒。

<赤ちゃんは泣くのが仕事です>

 そんなことわかってる。

<赤ちゃんが泣いてもママのせいではありません>

 じゃあ、誰のせいなの?

<無理に泣きやませようと、激しくゆさぶってはいけません>

 こんな私は虐待してもおかしくない母親っていうこと?

 思考はどんどんネガティブになっていく。

「この子と私はどうしたらいいんだろう……」 

 そんな絶望的な気分のなか、ある日、私の目に入ってきたのが幼児教育の広告だった。

“無料体験レッスン開催中!”

 カラフルに彩られたホームページ(HP)には、満面の笑みを浮かべる母子と「先生」の姿があった。

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「テレビを見せると障がいが出る」