例えば「カンニング竹山が教えるなぜ選挙に行かなきゃいけないか?」というコラムをAERAとか朝日新聞とかでやったとする。そこに興味がない人と竹山に興味がない人はそもそも読まない。読んだとしてもそんな記事つまらないですよね。それより「カンニング竹山が宝くじで200万円当選後、競馬で300万円当てた連続の奇跡!」という記事のほうが読むと思うんです。ばかばかしい話だから。

 よく勉強している頭のいい人たちは、政治はちゃんと知らなきゃいけないんだとか、選挙では正しい情報を伝えなければならないんだとか、政治はムーブメントなんかじゃダメなんだとか言うけど、何年間そんなこと言ってます?って。ずーーっと、それ言ってるけど、世の中何も変わってなくてダメじゃんって。今回の都知事選みない状況がいつまでたっても起こりませんか?って。

 そういうことを打破するには、わかりやすくもっと芸能人をガンガン入れて、みんなが言い合える世の中にしていかないと、悲しいかな、変わらないですよ。選挙は人気投票じゃない政策だって言うんですけど、人物を見て、この人は何をやろうとしているのか公約を知り、それを実行できるのか、それで選ばなければいけないんですよ。でも、そこに目を向けない人は、結構いるんですよ。目を向けていてもそこまで深堀しない人もいるんですよ。そういう人も一票持っていて、めちゃくちゃ勉強している人も一票持っているんですよ。

 ものすごい勉強しているインテリ層がその知識をSNSで発信しようとして、Zoomで討論会やろうとか、安倍政権について語ろうとか、小池都政について討論会やろうって、それ、好きな人だけが集まりますよね?僕がその幹事だったら、僕のことが多少好きとか竹山に興味を持っていて、なおかつ政治にも興味あるって人しか集まらない。仮にそれが20人いて、いい討論ができましたねって言ったところで、実はそれって、いい討論をその場ではしているかもしれないけど、社会的には全く響いてねぇーよって。

 発信できている気になっているけど、実質発信してないんですよ。それがSNSというものなんですよね。発信されたことは、世界中でどこでも全部見られるんだけど、受け取る側がそれを受け取っているのかって言うと実は受け取っていないんですよ。たくさんの人が発信を受け取ってくれないと、小さなライブハウスでライブをやっているだけでしかない。それの連続なんですよね。

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だからこそムーブメントにしていくしかない