個人的な僕の考えですけど、長年選挙ではそういった状態が続いているけど、何かを議論するレベルってものすごい上がってきていると思うんです。なぜかというと、発信する人が多くなってきたから。論客と言われる、例えば国際政治学者とか政治評論家などに、メディアですごくフランクに話す人たちが出て来たから。そういう人たちが出るテレビ番組も増えて議論のレベルは上がってきている。その一方で、レベルが上がっているのは一部の人たちだけで、その人たちは勉強していてよくわかっているから、「このままじゃいけない」とか、「社会はこうじゃなければならない」とか言うんですけど、その人たちが上がっていて、それ以外の人たちは、そんなに上がっていないっていう状況。

 だから、今回の都知事選みたいに結局何も変わらないって結果にならないために、今一番大事なのは、選挙でちゃんと人を選んで投票できるようになること。そのためには、もっとわかりやすく、もっとかみ砕いて、みんなで話し合える世の中になっていかないといけないと思うんです。それが、「朝まで生テレビ」じゃダメなんですよ。ここが難しいところ。

 ニュースや報道番組でわかりやすいだけじゃダメなんですよ。結局、「え?そんなことから?」って知識をつながないとダメで、そのためには、もちろん政治学者たちも必要、正しいことを話してくれる人たちも必要で、その人たちありきと、もうひとつは、僕たちみたいなバカな芸人とか、芸能人も必要。芸能人が検察庁法案改正の問題で、「#(ハッシュタグ)」つけて政治のことを語るべきか語らないべきかっていうのがあったじゃないですか。「芸能人のクセに言うなよ」な書き込みのように芸能人が政治に絡んでんじゃねーよっていう世の中を正していかないと、選挙結果だって変わっていかないと思う。

「選挙に行こう」程度の発信だと、そこにバカな要素はないから、みんな面白くないから来ないんですよ。「選挙に行こうよ、選挙に行くとこんな世の中になる」って、わかりやすくテレビでやったとするじゃないですか?でも、そんな面白くも何ともない。

次のページ
みんなが言い合える世の中にしないと変わらない