東京都知事選で約366万票を獲得し圧勝した小池百合子氏。「都のリーダーが小池さんでいいの?」と発信していたお笑い芸人のカンニング竹山さんは、小池氏再選から選挙そのものがあるべき姿を問う!
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今回の東京都知事選で小池百合子氏が再選を果たしたのを見て、結局、都知事選に限らず、選挙で争うのは政策だって言うんだけど、「選挙って、そういうことじゃないんだよな」って改めて思った。
選挙って、世の中のことそんなに考えていない人も一票持っているわけじゃないですか?ということは、結局、ムーブメントなんですよね。ムーブメントを起こした方が勝ち。候補者のキャラクターも必要になってくるし、あと、情なんですよね。見せかけの情。だから、票を獲得するために大切だったのは、昔からの選挙の戦術のドブ板なんですよね。いまどきのドブ板としてSNSを駆使するわけだけど、有権者も立候補する側もSNSにちょっと感化されすぎているというか、SNSの特徴的なところでもあるのだけど、SNSが世界の全てと思いがちになるんですよね。
そういう勘違いは、約20年前にメールが登場した頃の出会い系メールが典型的な例。サクラの女の子がずっとメールのやり取りしてくれて、実存しない女の子に恋してしまい、課金、課金でお金をつぎこんでしまう。結局、SNSってそういうもので、相互理解もたしかにできる道具だけど、人間の心の根本は変わっていなっていうか、心を誤解させるものでもあるんですよね。
小池さん、前回掲げた公約なんてやっていないよとか、コロナ対策もおかしくないか?とか、みんなあれだけ言ってたのに、そういうことは意外とみんなに響いていない。前回よりも投票率は下がって55%でしたけど、それでも小池さんに約366万票も入って二期目に突入させたということは、実は政治家は政策だとか言いがちなんだけど、悲しいかな選挙は政策じゃない、ムーブメントを起こしたほうが勝ちなんだ。結果的に小池知事が一番テレビに出ていてあの程度で頑張っているという評価。みんな自身の生活を回していくことに精一杯で、そこまで注目していないんですよ。だから、「小池でよくない?」「消去法でいくと小池じゃない?」程度の考え。よく考えないで投票する人も平等に一票持っていますからね。