JリーグやFIFAワールドカップ(2002年)の試合開催時は、主要交通機関として定着したものの、路線愛称は人々に広まらなかったのか、2015年4月に再び公募。最終的に埼玉南北線、埼スタメトロライン、埼玉スタジアム線の決選投票というかたちを取り、得票数1位の「埼玉スタジアム線(略称、埼スタ線)」が選ばれた。

 また、秋田内陸縦貫鉄道も誘客効果の拡大、沿線地域の観光振興を目的に、2011年10月から公募したところ、「秋田美人」に関する候補も多かったことから、これらをアレンジした「あきた〇美人ライン(〇部分はハートマーク)」に決定。2012年1月27日に発表されると、カメラ女子によるフォトコンテスト、路線愛称のイメージイラストを募集するなど、積極策に出た。

 その後、2017年12月に路線愛称を「スマイルレール秋田内陸線」に変更し、併せてロゴマークも一新された。沿線は毎年7月から9月上旬にかけて、田んぼアートが車窓を彩る。

「埼玉スタジアム線」と「スマイルレール秋田内陸線」が多くの人に愛され、長く定着することを期待したい。(文・岸田法眼)

岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)。