日本人プレイヤーが世界最高峰の選手たちが集まるメジャーリーグで活躍し、野球の母国アメリカで称賛を受ける姿は、とても素晴らしい光景ではある。だが、一方でイチローのようなスター選手が日本から米国に渡るようになって以降、本来なら日本のプロ野球で楽しむことができた“名勝負”がなくなってしまったのは残念なこと。

 まだ日本人プレイヤーがメジャーに行く前の時代、昭和であれば「長嶋茂雄vs村山実」、「江川卓vs掛布雅之」、「王貞治vs江夏豊」、平成であれば「野茂英雄vs清原和博」、「伊良部秀樹vs清原和博」、「石井一久vs松井秀喜」など、テレビ中継を見ていても画面上から互いの闘志がひしひしと伝わってくる対決は多かった。

 今後もイチローらが切り開いたメジャーへの道を歩む選手は続くだろう。だが一方で、巨人坂本勇人や、ソフトバンクの柳田悠岐などスター選手が生涯日本でのプレーを宣言するようなケースもでてきた。「一流は一流を育てる」と野村克也氏が語っていたように、令和の時代も一つでも多くの一流同士の名勝負が生まれ、日本で高いレベルの野球を披露して欲しい。