「球場すぐ近くでは100ドル近くふっかけてくる場所もある。それでも支払って試合を見るファンがいる。全米1、2位の大都市を本拠地とする人気チームですからね。阪神も同様に大人気ですが、そこは関西人気質なのか財布の紐は固い。甲子園周辺で1万円ふっかけてくる駐車場はない」

 球場周辺に飲食店が溢れ、試合前後にお酒や食事を楽しめるのも同じだ。米国のリグレー・フィールド、ヤンキー・スタジアムとも球場周辺にはスポーツバーが並び、ロード試合時でも熱狂的ファンが集まり応援する。甲子園の徒歩5分圏内には商店街があり、そこには串カツ、お好み焼きなど、古くからの個人経営店が多い。多くのファンが時間をつぶしており、球場目の前のショッピングモールとは異なる『昭和』の魅力溢れる風景が広がる。

「取材記者もデイゲーム後などには、飲んで帰る人も多い。女子アナなどもいたりするけど、周囲も気にしなくて良い。心地良い空間です」(阪神担当記者)

 また同様なのがグッズショップ。「どう考えてもアングラ販売だろう……」という商品、サービスが定番で店は多くのファンで賑わっている。

 甲子園では、ユニホーム等に応援歌詞を入れるサービスが人気。「●●粉砕」、「くたばれ●●」など、日常では口にできない言葉が並ぶ。

 米国では「ビール飲め」などの文言Tシャツが商品の主流。「BOSTON S●●KS」(くたばれボストン)など、ライバルチームをいじり倒すものも多い。

「ユーモア満載のグッズが多く、Tシャツ1枚20ドルなど、商品単価も低い。球団公式グッズより断然、売れている。球団側も実態把握しているが、そこは持ちつ持たれつの関係というか、黙認しているようです」(前出のスポーツライター)

 マンモス球場、アルプス席など、巨大なイメージがある甲子園だが、中へ入ると意外に小さく感じる。

「実際にプレーすると感覚が違う」と阪神OBは語る。

「スタンドに傾斜があることで、グラウンドを周囲から取り囲む感じで全体が小箱のよう。スタンドからの声は降ってくるような感じがする。辛辣なヤジもよく聞こえる」

 またグラウンドとスタンドが近く、外野席最上段からでも打席までの様子がよく見える。

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選手たちの間でスタンドの「綺麗な女性」が話題に?