伊東は高橋宏斗(中京大中京)とともに東海地区を代表する右腕。恵まれた体格を生かしたパワーピッチングが持ち味で、140キロ台中盤のストレートは威力十分だ。山下は186cmの大型右腕。高い位置から縦に腕を振り下ろすことができ、角度抜群のストレートに魅力がある。川瀬は高校の先輩である森下暢仁(広島)と重なる柔らかい腕の振りがセンスを感じさせる。8月に甲子園で行われる交流試合では注目を集めることは間違いないだろう。また常総学院の菊地竜雅、一條力真の本格派の二人も楽しみな存在だったが、いずれも進学を決めたと伝えられている。大学で更に成長した姿を見せてくれることを期待したい。

 捕手では牧原巧汰(日大藤沢)、二俣翔一(磐田東)の二人が面白い。牧原は昨年夏の神奈川大会でトップバッターとして3本塁打を放ち、チームの決勝進出に大きく貢献した。少しタイミングを外されても場外まで運ぶことができるパンチ力は圧巻だ。体の強さがあり、コンスタントに1.9秒台をマークする強肩も光る。二俣は投手としても楽に140キロ台をマークする抜群の地肩の強さが持ち味で、セカンドベース付近でもボールの勢いが落ちない。1番を任されており、脚力を生かしたフットワークも高校生ではトップクラスである。

 野手ではともに選抜出場予定だった佐々木泰(県岐阜商)、西野力矢(大阪桐蔭)が強打のサードとして面白い。佐々木は抜群のリストの強さ、西野は下半身の強さを生かしたフルスイングが持ち味で、長打力は高校生離れしている。ともにサードの守備の動きとスローイングの強さも際立つ。

 同じ右の強打者タイプでは石川慧亮(青藍泰斗・外野手)を推したい。172cmと上背はないものの、たくましい体格を生かしたフルスイングは迫力十分で、打球の速さも高校生離れしたものがある。右方向へ強く打てるのも持ち味だ。兄の石川翔(中日・投手)譲りの強肩で、外野の守備も見どころ十分だ。

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投手&野手としての能力高い選手も