新型コロナウイルスの感染防止のために、自宅で過ごす子どもたちがまだまだたくさんいます。家にいる時間が長い分、おとなだけではなく、子どものネット利用も増えがちです。3~4歳ぐらいになると、自分でYoutubeのお気に入りの動画を探し、広告をスキップしたり、アプリをダウンロードしたりする子もいます。その順応性に驚くと同時に、SNSは身近で便利なツールだからこそ、子どもが使う際には注意が必要です。今回は、書籍『親子で話そう! 性教育』(朝日新聞出版)の監修者である浅井春夫さんと艮香織さんに子どもがSNSを利用する際の注意点を教えてもらいました。

■「かわいいね、写真を送って」と言われると…

 ネットのように相手と直面しない世界では、優しい言葉を容易にかけることができます。「いいね」のクリックひとつで、簡単に共感や承認を示すことができ、子どもたちは、自分に関心を持ってもらえたと思ってしまいます。承認されると悪い気はしません。特に、リアルな世界に居場所がなく、承認欲求が満たされていない子にとってはうれしくて、ついハマってしまう……。「かわいいね、写真を送って」と言われると、簡単に煽られて、つい裸の写真も送ってしまうこともあるのです。

 警視庁が発表したデータによると、子どもがSNSを介した事件の被疑者と会った理由は、「優しかった、相談にのってくれた」「寂しかった」「暇つぶし」が合わせて20%を超えています。現実の世界に居場所がなく、優しくしてくれる人や寄り添ってくれる人を求めている……。現実では得られない居場所をSNSに求めているようです。

 では、そのような子どもたちにどんな注意をしたらいいのか。まず、「見ず知らずの人と会うのは危険」だということ。YouTubeなどの動画投稿サイトやオンラインゲームでは、簡単に見ず知らずの人と出会うことができます。チャットなどの文字でやりとりしながら親しくなったものの、相手は同年代の子どもになりすました悪意のあるおとなかもしれません。かれらは、時間をかけて子どもと信頼関係をつくり、個人情報を聞き出したり、直接会おうとしたりします。「子ども部屋から話し声がするから誰か来ているのかと思ったら、知らない人とチャットをしながらオンラインゲームをしていた」「小学校の子どもが、ネットでカレシができたと友だちと話しているのを聞いて驚いた」などの小学生ママたちの声もあります。低年齢であっても、決して油断はできません。

次のページ