川口氏の現役時代90年代頃までは、良い左腕投手がいるだけでチーム力は一気に高まった。そこからダルビッシュ有(カブス)、田中将大(ヤンキース)などの本格右腕の時代がきた。歴史は繰り返し、左腕が重宝される時代に戻った。

「スポーツをやる時に左は有利だということがわかった。だから子供の頃に最初から左投げや左打ちにさせる親が増えた。それで左投手の数自体が増えたから良い素材も多い。DeNAや中日など、意図的に左投手を揃えた球団が出てきたのも納得する」

 打高投低が叫ばれる現代野球であるが、やはり勝つために重要となるのは投手力、なかでもサウスポーの存在は欠かせないものになる。改めてセ・リーグは群雄割拠、どこが勝ち残っても不思議でない。その鍵を握るのは間違いなく左腕投手だ。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。