芸人を空から飛ばしたり、水車に貼り付けられて水をかけられてバンバン回されたり、我々はそういうのやりたいわけですよね。爆薬をガンガン爆発させて「やめろー!」って炎の間を駆け抜けるときにものすごい幸せを感じるわけです。(笑)「仕事してんなー」っていう。そういう番組はできなくなっているから、結局、優良な番組ばっかりになっていく。

 優良な番組って考えたとき、安倍さんや小沢さんを番組に呼んだときに、僕とか、サバンナ高橋くんには回させないですよね?報道部のデスクとか、解説委員とか、エライ感じの名前の人が回すと思うんですけど、そうなると、どんどん見なくなるのに、そのほうが安パイですよね。若い子は見なくなる、そうなると政治家は呼ばなくなる、政治の話からどんどん離れていく。

 小沢さんが番組に出てくれて面白かったのは、はっきり赤裸々に、他のメディアでは言わないことを話すんですよ。選挙には絶対勝つとは以前から語っていましたが、野党連合ではなくて、新しい党を作るってことまで話していた。連合じゃない、政党を作るんだと。秋に選挙があるかもしれないから夏までには候補者も決めなきゃいけないって。なかなか普段発言しないことをはっきり話すし、そういう面もあったりするから、こういう斬り方をする番組も大切かなと思った。

 いい悪いは別として、小沢さんの政治に対する考え方がすごくわかりやすかった。政治記者によっては「いいや、あいつは嘘つきだ」「建前だけ話している」とか言う人もいるかもしれない。でも、番組では小沢さんの話はわかりやすかったし、たぶん、普段、政治家が話している番組を見たことない人も見た可能性はありますよね?

 今回のAbemaTVがあるように今メディアが分散化している。だからテレビが王様っていう時代が徐々に薄れてきているのは確かですよね。でも、影響力は一番あるんだけど、いまはオンタイムで見る影響力でなく、ネットニュースでの拡散なんですよね。特に、若い子たちは、番組そのものを見ていなくて、放送されたものを文字で起こされたSNSという中で拡散したものを見て「あーだ、こーだ」言っているっていう。それが若い子の中でのシステムとして完全に構築している。

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テレビから離れる若い子を取り戻すのは難しい時代に