男性陣の一人がこう言っていた。

「家庭は安心できる場所、恋愛は自分を高めるスパイスだよ」

 既婚者ではあるものの、常に恋愛はしていたいのだと。「家庭に不満はない」と言いつつも、安定しているからこそ、刺激を求めたくなるそうだ。

 あの渡部氏もそんな心境だったのだろうか。

 表向きは“友達作り”だが、実際は刺激的な出会いを求める男女が集っていた「既婚者合コン」。とはいえ、参加者たちが本気を出し始めたのは2次会からだ。

 この仕組みであれば、既婚者合コンの主宰者側には「不倫を助長する意図はない」という大義名分が成り立つ。参加者側もこのような“暗黙のルール”を守って火遊びをしているようにも見える。

 既婚者合コンの新規イベントに並ぶ“満席”の文字。今日もどこかで異性を求める既婚者が、家族との時間を犠牲にして合コンサイトをチェックしているのだろう。(取材・文=吉田みく)