参加目的を聞いたところ、「友達作り」と答えのが、男女ともに半数以上。「恋人希望」は男性2人だけだった。なかには「ビジネスパートナー探し」という怪しい参加者もいたが、高い会費を払っているだけあり、男女ともに落ち着きのある人たちばかりだった。共通の趣味で盛り上がるなど、序盤はまさに“友達作り”をしているように見えた。

 そんなとき、

「あの人、いい時計とスーツ着てるね。余裕ありそう」

 30代くらいの女性参加者の1人がこう話しかけてきた。

「堅い職業の人はお金もないし、遊び方を知らない。時間の無駄だから近づかないほうがいいよ」

 女性の方は虎視眈々と男性を“品定め”していたようだ。よく見ると、多くの女性がハイブランドのバッグやきれいなネイルで全身を飾り、自分磨きに時間とお金をかけていそうな雰囲気をかもし出していた。

 一方の男性は子持ちの家庭人が多く、妻に対する愚痴をもらしていた。

「ケンカする夫婦は仲いいと思うよ。うちはそれすらないから」
「キーキー怒る奥さんを抱けないよ。目をつぶればいけるかな」

 子どもと一緒に夫の帰りを待つ妻の心境を想像すると、とても複雑な思いになった。ちなみに、女性参加者で子どもがいる人はいなかった。

 今回驚いたのは、参加者の多くがお互いに顔見知りだということ。方々で「お久しぶりー!」「今度、○○のパーティーに一緒に行こうよ」などと声を掛け合っているのは、不思議な光景だった。皆それぞれ、さまざまな既婚者合コンを渡り歩いているようだ。

 特に実のある話をするでもなく、気づけば終了時刻に。正直、取材の「取れ高」がなかったことに失望していたのだが、実は合コンの「本番」はここからだったのだ。

 主催者が「このあとは2次会などお楽しみください」と声をかけると、男性たちが一斉に動きだす。

「この後、もう一軒いきませんか?」
「まだ、時間あるでしょう?」

 気に入った女性に対し、男性が次々と声をかける。一次会での“紳士モード”がまるでウソのようだ。

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2次会で豹変した男性参加者たち